2006年 10月 25日
尾仲浩二写真展「夏、大阪まで」の関連イベント「尾仲浩二×百々武トークショー」にいってきました。 この展示は、尾仲さんが29歳のときの写真のリプリントで構成されている。(氏は現在47歳なので18年前) 当時、突如として思い立った尾仲さんは、徒歩で大阪を目指す。 「金はなかったが、時間はたっぷりあると思っていた頃。」 と回想しているだけあって、当然のように野宿での旅だったようだ。 同じく貧乏旅行をしながら撮影を繰り返している百々武(現在29歳)とも、野宿話に花が咲く。 観客に向かって尾仲さんが質問を投げかける。 「このなかで野宿した事ある人っていますか〜?」 思わず手を挙げた。 日本で、インドで、チベットで、二十代の頃は僕も野宿ばかりしていた。 本当、金はないんだが行きたい所は無限にあって、手っ取り早く節約するにはまず野宿だった。 秋田県では田んぼに寝たな。土が柔らかくて気持ちよかったよ。 沖縄の那覇ではスーパーの非常階段で蚊と格闘し、久米島では砂浜で二週間。 雪降り積もる冬の北海道のバス停で魚肉ソーセージを喰らい。 インドの砂漠ではルソーの「眠れるジプシー女」よろしく。 チベットの山中では、狼の遠吠えにおびえながら、ナイフを握りしめて寝た。 最近では奥多摩のキャンプ場で、ロッジがあるのにわざわざ一人で河原で眠る。 こんな経験は、なんの自慢にもなりはしないし、人に野宿を勧めることもないんだけど。 単純に、屋根がある所からは見えない景色が見えた。 闇の恐怖と、星の明るさを体感できた。 今でも雨の夜なんかは「屋根があってよかったな。」と感謝している。 自宅のベットのなかで。 西チベットのカイラス山、右手の崖の麓の洞窟にて野宿。
by ariphoto
| 2006-10-25 23:55
| photo
|
ファン申請 |
||